作業療法としてのサンドアート

作業療法としてのサンドアート

Koheiは柔道整復師の国家資格を有しています。

以前はサンドアーティストをしつつ東京都内の医療施設で運動療法や電気療法マッサージなどのリハビリ業務をしていました。

 

現在はサンドアーティストとしての活動のみを仕事にしていますが、その過程で日本医療科学大学の作業療法科の非常勤講師を務めることになりサンドアートとリハビリの相性の良さに気づきました。

 

サンドアートで楽しみながら鍛えられる代表的な動き

①握る動作(握力)

素材の硬さ(柔らかさ)に合わせて握る力を調整することは大事ですね。

生卵の殻や紙コップなどをぐしゃっとつぶさない力加減です

握力が必要な絞り動作
握力が必要な絞り動作
握力を調整して砂を落としていく
握力を調整して砂を落としていく

②つまみ動作(ピンチ力)

ビンやカンなどの蓋を開けたり、お箸を持って使う、衣類のボタンを留めたり、爪切り、靴ヒモを結ぶなどの動作。、、これらも生きてく上で欠かせない動きですね💦

ピンチ力が必要なお箸の使用
ピンチ力が必要なお箸の使用
ピンチ力を調整して砂を落とす
ピンチ力を調整して砂を落とす

③巧緻性

巧緻性とは簡単にいってしまうと「指先を細かく使える」能力です。握力とピンチ力を使いこなすには当然巧緻性の向上が必要です。

※詳しく書くと終わりがないのでそのうち改めて記事にします。

細かい動き
細かい動き
爪先を使って瞳にハイライトを入れる
爪先を使って瞳にハイライトを入れる

精神面での癒し

ショーの後の体験コーナー。どの年代の人も砂に触ると必ず「サラサラ、、!」と呟きます。
ショーの後の体験コーナー。どの年代の人も砂に触ると必ず「サラサラ、、!」と呟きます。

サラサラとした砂に触れて、筆や鉛筆といった道具を使わずに指で絵を描く行為は

単純に気持ちがいいという声を体験者から多数いただいています。

 

私も

「もう今日は描きたくない。疲れたな。」

という時は絵を描かずに、ただ砂の中に手を突っ込んで

その冷んやりとした感触を楽しんでいます。

不思議な事に そうしているうち砂を使って何か作ってみたいなと思えてしまうのです。

 

講義中に制作された学生作品

患者さんとのコミュニケーションツールとして

例えば講義中に学生同士でペアになってもらいサンドアート似顔絵を描くと、、、

集中して取り組みつつも温かい雰囲気になります。描き終えたら名前を砂文字で入れます。

 

サンドアートで使う主な筋肉と神経

①握力
橈側手根屈筋
長掌筋
尺側手根屈筋
浅指屈筋
深指屈筋
長母指屈筋
方形回内筋

②ピンチ力

母指対立筋

長母指屈筋

短母指屈筋

深指屈筋

浅指屈筋

骨間筋

③巧緻性

運動神経

感覚神経

小脳による運動機能の調節

感覚の分布

有名な[感覚野のホムンクルス]
有名な[感覚野のホムンクルス]

脳外科医のペンフィールドが示した「体部位再現図」

図の中の手指の大きさを見てください。

「食事」「洗顔」「字を書く」などの基本的な日常生活で必要な部位です

この図だけでも作業療法の重要性がよく分かると思います。